悪口は寿命を縮める?~ネット上の誹謗中傷から考える~

賞賛があれば誹謗中傷があるのがこの世の現実。少し前の事件になるが、プロレスラーだった木村花さんがsns上のそれを苦にされて亡くなった。1日100件のペースで続いたという。元国会議員の三宅雪子さんも亡くなられた。やはり直前にネット上の誹謗中傷を苦にされていたという。また、性暴力被害を告発したジャーナリスト伊藤詩織さんに対するネット上の誹謗中傷やハラスメントは激しく、伊藤さんは身の危険を感じて英国に移転を余儀なくされた。このことは、BBCの「日本の秘められた恥」という番組を通じ、国際的にも問題視されているという。日本でも世界でも、ネット上の誹謗中傷によってストレスを抱えたり、心のバランスを崩している人は多い。

 国会ではようやくインターネット上の誹謗中傷対策で「侮辱罪」を厳罰化し、現行の懲役や罰金刑の対象とする改正刑法が7月7日に可決、成立した。しかし、厳罰化することで問題解決に至るのであろうか。他の場面で誹謗中傷は起きないのであろうか。

人は自分が劣っていると感じると他をおとしめて自尊心を保とうとします。攻撃しやすい対象や賞賛を得ている人への妬みから悪口・中傷が発生します。その時、残念なことに脳内では盛んにドーパミン(いわゆるやる気ホルモン)という神経伝達物質が盛んに分泌され始めます。人の不幸は蜜の味というのは科学的な根拠があるのです。

悪口・中傷が始まるとドーパミンは更に快楽刺激を追い求め、常態化しエスカレートすることになります。これが被害者を苦しめていくことにつながっていきます。

一般に人は悪口を聞くと強いストレスを感じます。自分の身に危険が迫っていると脳の中枢にある偏桃体が瞬時に反応するからです。人に言われる時は当然ですが、自分の言葉にも自分の偏桃体は反応します。理性をつかさどる大脳が言葉を理解するよりずっと前にですから、自分で自分にストレスを与えてしまいます。

一方、怒りやすい人はアドレナリン分泌が盛んになり、血圧上昇や心拍数増加をもたらし、心疾患リスクを高まらせます。また、先ほどの偏桃体を常に働かせて酷使していると(ストレスを解消できないと)すぐ近くにある海馬という短期記憶をつかさどる器官を委縮させ認知症を発症しやすくなってしまいます。

まさに快楽とストレスが併存している状況になり、自律神経系が臨戦態勢を維持し続けると活性酸素がたまり、老化が急速に加速されます。

メカニズムの解明が進む共に、サンプル調査でも「世間や他人に対する批判度が高い人は、認知症のリスクが3倍、死亡率が1.4倍高い」「ゴシップや噂話が好きな人はそうでない人に比べて寿命が5年短い」など、悪口が命を削ることを示す研究結果は、世界中で発表されています。

私は、このような科学的知見をわかりやすく皆さんに紹介していくことこそ大切なことと思っています。誹謗中傷が自分の寿命(健康寿命も含め)を削っていくことを知れば、人々の意識も変わっていく可能性があるのではないでしょうか。

それでは、悪口が寿命縮めるとすると感謝はどのような効果があるのしょうか。次回以降探っていきましょう。

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Posted by ジェイ・慈英