苦しみを悪化させず、起こっても縮小させるには

欲求が満たされない、あるいは悔恨が消えない、将来への不安が襲ってくる、要するに人生は意のままにならないことの連続であり、これが真実です。これを「苦」とここでは定義します。欲望や不安のない人生などありません。これを一の矢とします。問題はそれが満たされないとああでもないこうでもないと考えがめぐり始め次の苦しみを輪をかけて生じさせることにあります。これを二の矢とします。更に三の矢、四の矢とマイナス思考は輪を広げ果てを知ることがありません。これが苦しみを悪化させるメカニズムだと古今東西の心理の大家たちは見抜いていました。

 仏教では、この思考が堂々巡りをして悪循環にはまる論理を戯論(けろん)と読んでいます。スタンフォード大学の心理学者ケリー・マクガニガルは繰り返し生じてくる悪循環ストレスをループストレスと名付けました。認知行動療法ではネガティブな出来事を繰り返し思い出して悩んでしまう考え方を反すう思考と読んでいます。森田療法ではある感覚に対して、過度に注意が集中すると、その感覚はより一層鋭敏になり、その感覚が固着される。これを精神交互作用と呼んでいます。いずれも同様の心理状況を苦を悪化させる根本と見抜いていると言えます。

 となると、苦を悪化させない道はループを止める、究極は無意味な思考を止めることにあります。そんな考えがめぐり始めたとき、これを止めることができるはずないとご経験上から感じる方はいらっしゃると思います。ご安心ください。これを止める方法、あるいは二の矢が刺さる前からこれを予防する方法は様々に開発されてきました。私自身、体験的に試みて効果を実感していますし、科学者の皆さんの膨大な臨床サンプル調査より、多くの方々に効果があることが実証されている手法が既にいくつもあります。

 ちなみに、その一つが「マインドフルネス」であり、正しく用いれば抗うつ薬に匹敵する以上に効果をあげていくことが認められています。今や欧米の心理治療の主流の一つになってきていますが、元々は仏教の禅に代表される瞑想を現代に応用したものです。ごく基本は今ここの一点を観察して考えないことに集中する手法と言えます。私のカウンセリングでも、この基本法のみでなく、これを発展させた様々な応用法を取り入れています。この他にも、認知行動療法などループを止める手法を扱っています。相談者の方に最適な手法を提供できますので是非ご相談ください。

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Posted by ジェイ・慈英